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EZ-programmingは、「簡単にプログラミングを伝えること」を目的としたメディアです。

私がプログラミングを学び始めた当初、プログラミングについて調べる機会が多々ありました。しかし、数ある記事において、どれもこれもソースコードの意味などには触れず、「コピペで簡単!」という内容のものばかりでした。

中・上級者向けの記事であれば詳しい内容に触れているものも多いですが、やはり初心者にとって、その内容は難解なものです。

「ソースコードの見本なども知りたい。でも、プログラミングの知識もしっかり身につけたい」という方に情報をお届けするため、このメディアを開設しました。

今後はプログラミング関連のコラム・解説記事をはじめ、ITエンジニアを目指す方向けに、実際のソースコードを交えながら解説するような記事を投稿していきます。

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【初心者必読】コードレビューとは?メリット・デメリットを解説
エンジニアおよびプログラマとして働く以上、誰もが通る道の一つがコードレビューです。 特に経験の浅い方や初心者の方の場合は、コーディングする度にコードレビューをしてもらって、また数行書いたらコードレビューして…という業務フローになることも珍しくありません。 しかし、コードレビューは多くの人にとっては「苦痛」に感じる部分もあり、とりわけ初心者の方だと「本当に必要なの?嫌なんだけど…」となることもありますよね。 今回は、そんなコードレビューについて、メリット・デメリットを挙げ、なぜコードレビューが行われるのかを簡単に解説していきます。 コードレビューとは? コードレビューとは、言葉の通り「コードの内容を評価する」ことです。 評価と言っても、業務成績のようなものではなく、そのコードがおかしな記述になっていないか確認します。 いわゆるダブルチェックのようなものです。 開発現場においては、ダブルチェックよりも重要度の高い工程と言えます。 「コード」とは言っても、基本的にレビュー対象となるのはJavaやPHP、JS等のプログラミング言語で書かれた「プログラムのソースコード」であり、HTMLやCSSのレビューを行うことはあまりありません。 暇ならやるかな、くらいですね。 また、コードレビューの評価ポイントや進め方は人それぞれであり、特に「こうするべき」と広く定義された様式は存在しません。 したがって、本記事では管理人の主観も若干混じりますが、そこはご容赦ください。 3つのメリット 先述したように、コードレビューは開発現場においては重要度の高い工程です。 基本的には、以下の3つのメリットがあります。 プログラムの整合性が保たれる 開発進捗を共有できる 開発意欲の向上に繋がる それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。 1. プログラムの整合性が保たれる コードレビューの目的は様々ですが、中でも共通するメリットが「プログラムの整合性を保てる」という点です。 「プログラムの整合性」というのは、大きく以下のような要素によって形成されます。 無駄なコードやコメントがない 重複する処理の共通化 各処理の依存性が低い 上記の3点を達成できているプログラムは、十分に「整合性が保たれている」と言えます。 これらの項目が達成されていないプログラムは、見通しが悪くなったり、メンテナンスする際にリファクタリングする箇所が多かったりと、追加開発および保守開発業務を妨げる要因になります。 ただ、開発現場は一般に複数のプログラマが同じプログラムを触ることになるため、これらの項目を達成するのはそう容易なことではありません。 優秀なプログラマであっても、他人の作った処理やメソッドを見逃してしまうことはあります。 そこで、コードレビューを通じた整合性の確認が意味を成します。 コードレビューをしたからと言って必ずプログラムの整合性が保たれるとは限りませんが、第三者がチェックすることにより、共通化できる処理や遠回しで無駄の多い処理を指摘するきっかけとなります。 以上の点から、コードレビューは一般的に現場内でスキルが高く、また開発環境への理解が深い人間が担当することがほとんどです。 2. 開発進捗を共有できる コードレビューは、ある開発者の書いたコードを、別の開発者が確認する形式になります。 それはすなわち、コードレビューする側が、その開発者の進捗を把握することにも繋がるのです。 前述したように、コードレビューは経験の多いプログラマやエンジニアが担当するケースが多く、基本的にはチーム長のような立場の人間が行うため、進捗を把握できるのは大きなメリットと言えます。 例えば、開発進捗があまり芳しくない場合は、別の開発者に対して、開発の手助けをしてもらったり、といった対応を、早期に行える可能性があるわけです。 上司が部下のスキルを把握できる 上司がコードレビューを担当する場合、開発進捗と合わせ、上司が部下のスキルを把握できる点もメリットの一つです。 これは、主に新人のOJTを行うような現場で顕著に表れます。 コーディングスキルの低いプログラマがあっちこっちコードをいじってしまうと、基本的に見通しが悪く、メンテナンスし辛いコードが出来上がります。 これは、プログラミング言語や使用しているフレームワーク・ライブラリに対する理解度が低いためです。 最終的な処理の結果は同じでも、コードとして記述する場合において、その処理を効率的に実現する方法はいくつか存在するものですが、これは開発者に知識量・理解力に依存します。 コードレビューでは、レビューする中でそういった知識やテクニックを伝えることも珍しくありません。 また、あまりにもスキルが低い場合は、別の作業を任せるなどして、プログラムの煩雑化を防ぐことに繋がります。 これらの傾向から、新人のコードレビューは一般的に手厳しく行われることが多いので、初心者の方にとっては辛いかもしれませんね。 上司も仕方なく厳しくしているので、理解してあげてください… 3. 開発意欲の向上に繋がる コードレビューは、内容によってはコーダの開発意欲向上に繋がることもあります。 実は、プログラミングなどの開発業務は営業のような明確な評価指数がないため、モチベーションの維持が難しいです。 また、基本的にはチーム開発となる現場が多いことから、「この目標を達成できた!」のような達成感を味わう機会も多くありません。 その中でコードレビューは唯一と言っていいほど「褒められる」機会になるので、コードレビューで評価されることを目標に頑張ると、モチベーションも維持でき、かつプログラムとしても品質の高いものが出来上がるのではないでしょうか。 まとめ コードレビューは多くのプログラマやエンジニアにとってストレスになりやすいですが、開発プロジェクトにおいては、保守開発・運用の工数を削減する意味でも機能実装時点でのコードレビューは重要になります。 初心者の方の場合、「他の開発者にとって優しいコードとは何か」を知る機会にもなるので、めげずに取り組んでいくようにしましょう。
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【プログラマが完全解説】チーターが消えない本当の理由【Apex Legends】
ApexLegendsをはじめ、さまざまな人気オンラインゲームにおいて、どこからか湧いて出てくるのが不正ツールの使用者。いわゆる”チーター(Cheater)”です。もちろん、運営会社はチーターへの対策を施すわけですが、なぜかチーターは消えずに、長期に渡って居座り続けています。今回は、なぜチーターが消えないのか、皆が抱くであろう疑問をエンジニアが詳しく解説していきます。 ※私はEAの開発スタッフではなく、一般のプログラマです。この記事は、組織と何ら関係のない第三者がチーターについて言及しているコラム記事であり、EAおよびチートに関する明確な事実の提供を約束するものではありません。また、私はプログラマですが、この記事はあくまで非技術者が読むことを想定しているため、専門的な用語および考え方をお話しするのは控えています。予めご了承ください。 【前提】チート=MOD 「チートってそもそも何?」という方のために軽く説明すると、外部ツールによって不正にゲームのプログラムを改造し、楽をする(ズルをする)行為を指します。 例として、ApexLegendsでは以下のようなチート行為が多数報告されています。 定番チート「ホーミング弾」:出典 途中、明らかに照準が合っていない場所(画面の中央から外れた場所)でダメージ表記が出ていますよね。これがチートです。 前提として、外部ツールによって実装されるという点では、チートツールは”MOD”と大して違いはありません。オンラインゲームで実装されるMODは、場合によってはチートツールとして悪用される危険性があります。 ただし、言葉の使われ方としては、チートとMODには明確な差が存在します。 まず、MODというのは、チートツールと同じように外部ツールでゲームを改造するわけですが、その目的が基本的に”ゲームの改良・機能追加”に絞られているのが特徴です。ゲームを楽しんでプレイする中で、「こんな機能があれば面白いんじゃないか」、「この部分の挙動が不安定だから、動作を安定化させよう」という考えが、そのままMODの機能に反映されます。また、基本的にMODはプレイヤーがゲームを楽しむことを前提としているため、無償で提供されているものがほとんどです。 一方でチートツールは、ゲームそのもののゲーム性を崩壊させることを目的としています。本来であればマウスを動かして照準を合わせる楽しみがあるFPSゲームを、自動で照準が合うように改造したり、敵の位置をどこからでも透視できるようにしたり、チートツールを実装するとゲームの在り方が根本的に変わってしまいます。もちろん、悪意を持って提供されていることが多いですし、捻くれた人間によって提供されることから、有償のツールとして販売されているケースがほとんどです。 その実態自体はチートツールもMODも同じなのですが、開発・使用される用途や目的には大きな違いがあることがわかりますね。 チーターはなぜチートをするの? チーターは不正ツールを使用することで多くのプレイヤーから反感を買うわけですが、なぜそこまでしてチートを使いたがるのか、疑問がある方も多いのではないでしょうか。 チートが使われる理由として、代表的なものが以下の3つです。 アカウントを販売したい 上級者に楽に勝ちたい ゲームの評判を下げたい それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。 アカウントを販売したい チートを使う理由として、いま最も流行っているのが「アカウント売買」。要するに、ApexLegendsで言えばチートを使って簡単に20キル4000ダメージのバッジを獲得し、ランクもマスターorプレデターまで到達しているデータを、第三者に販売しているということです。 大前提として、ゲームのアカウント売買は基本的に禁止されています。しかし、ルール無用のチーターたちがそんなルールを守るわけがありません。また、こういったアカウントを購入する人も、アカウント売買が禁止行為だと理解していないケースすらあるほどです。 「買うやつが悪いんじゃないの??」となるかもしれませんが、海外のゲーム事情は日本とはかなり異っています。 海外の場合、オンラインゲームにおけるプロフィールや実力が、そのまま学校生活のヒエラルキーを決定することが多々あります。個性あふれるスキンを有していたり、高いランクやキルレを持っていたりすることが、子どもたちの学校生活を左右するわけです。 日本国内でも、この話題はよくコラム記事が挙がったりしていますよね。 『フォートナイト』等のオン…/Yahoo!ニュース 仮にいじめの被害に遭っていても、人気オンラインゲームで高い実績を持っていれば、「お前すげーじゃん!」となる可能性すらあるのです。もし、あなたが「ゲームのプロフィールがかっこ悪い」という理由だけでいじめに遭っているとして、「1, 2万円のアカウントを買うだけでいじめから解放されるなら・・・」となる場面を想像してみると、アカウントを買う人の気持ちも少しはわかるのではないでしょうか。 まとめると、売る側はゲームをするだけで高い利益が得られて、それを買う側にも一定のメリットがある、ということです。実は、日本国内においても、アカウント売買を一つのビジネスとして取り組んでいる方が一定数いるという悲しい現実があります。 (というか、日本人はバレるような露骨なチート(オートAIMなど)はしないけど、透視とか他者にバレないようなチートはガンガン使っているイメージ) 何度も言いますが、アカウント売買は基本禁止行為なので、いくら当事者間で利害関係が一致していようが、ダメはものはダメです。絶対にアカウント売買はしてはいけません。 国内にはアカウント売買専用のWEBサービスが図々しくありますが、その実態は漫画村と変わりません。事業拡大しようものなら、各社から提訴されて消えていくでしょう。 上級者に楽に勝ちたい 上級者に勝ちたいという一心で、チートを利用する方も少なくありません。オンラインゲームは競技性が高いものがほとんどで、もちろん、やり続けていれば芳しくない結果が続いてしまうことがあります。 意識が高い方はそこで練習をしたり、実力を高めようとしたりするわけですが、天下無双のチーターたちはそんな不合理なことはしません。「不正ツールを使えば、楽に上級者に勝てるんじゃないか!」と、なぜかこうなってしまいます。 まあ、普段まったくキルできない人からすれば、チートツールを用いて弾が当たりまくり敵を倒しまくることに関して、快感を覚えるのでしょう。別に、自分の実力がどうのこうのは関係なく、単に自分が無双してゲームを楽しみたいだけなのです。 ただ、子どもはこういうゲームに対してガムシャラに楽しんでいることが多いので、基本的に勝つことを目的にチートを使う方は、中学生~大学生が圧倒的に多いと思います。 ゲームの評判を下げたい チートを使う方の中には、どういった趣向なのか、ゲームの評判を下げることを目的にしている方がいます。 現に、ApexLegendsは長期間にわたってチーターが蔓延っていることから、「チーターが多すぎる」など悪評をつけられることが多々あります。ユーザがそういった考えを持つよう、チートを多用してゲームを破壊したいというわけです。 PUBGのように、チートの大量繁殖から露骨なユーザ離れを引き起こしたゲームもあるほどですから、割と馬鹿にできない事柄だったりします。 チーターが消えずに生き残り続ける理由 前述のように、チーターはゲームそのものの価値を落とす要因であり、運営会社からしてみれば迷惑なことこの上ない存在です。しかし、ApexLegendsなど一部のオンラインゲームでは、数年間にわたって永久にチーターが蔓延り続けています。一体なぜ、このような事態になってしまうのか、その理由について解説していきます。 チートを完全に防ぐのは不可能 非技術者の方がよく「チートってちゃんとすればほぼ完ぺきに防げるでしょ」と発言しているのを見かけますが、チートを完全に防ぐのは事実上不可能です。 そもそも、チートツールの不正使用などを含むサイバー攻撃は、基本的に攻撃する側が非常に有利なものであり、防衛側が成せることはほとんどありません。 技術的に防ぐのが不可能ということはないですが、リスクに見合っていないのが事実です。 上記の書き方では少し語弊があるので、ここからもう少し詳しく説明していきます。 【例】家の中に入れば安全? まず、貴方が自分の身を守るために、家を利用するとしましょう。 お家 さらに安全な空間で暮らしたいので、扉にしっかり鍵をかけ、窓も閉める。これで外部から不審者が入ってくる心配はなくなったので、安心して生活することができますね! ところが残念!四方八方から複数のミサイルが!!! ぎゃー! いくら家の鍵をしっかり閉めて、中に誰も入れないようにしたところで、外から物理的にミサイルやら撃ち込まれまくったら、どんな家でも耐えられないでしょう。 オンラインゲームおよびWEBサービスも同じようなもので、外部から不審者が簡単に侵入できないよう、鍵はかけるのは簡単です。 一方、外部で動いている脅威や攻撃を完璧に防ぐことはできません。 例えば、ゲームサーバーに負荷をかけプレイに遅延を発生させるようなDDOS攻撃も、ユーザが利用するような外部の端末およびアクセスルートを通じて大量のデータを送りつけることによって発生するもので、前述の例と同様に防ぐのが非常に難しいのです。 【例】家を隠せば対策できる? しかし、上記の例の場合、家が地上に出ている…要するに、見えるところに家があるのかダメという見方もできます。 ということで、地下に家を隠してみましょう。 地下の家 これならミサイルが飛んでくる心配がありません。どのような脅威が外部で機能していようが、貴方の住処は地下にあるので、何も関係なし。安全な日々を送れるわけです。 一般家庭であれば「これで安全!」で終わりなのですが、オンラインゲームはユーザがいて初めて成り立つものですよね。 では、地下に隠れてしまったこの建物が、レストランだと仮定しましょう。 レストラン 何も、見えませんね。 この状態では、恐らく何か月経っても来客数は伸びないでしょう。 レストランとして、誰かに利用してほしいと思うのであれば、地上に姿を現さなければなりません。しかし、地上に出ると、またミサイルなどが襲い掛かってくるかも… ApexLegendsなども、完全に閉鎖し、ユーザの権限を限りなくゼロにすれば、チートや不正行為は事実上撲滅できます。 しかし、それではユーザがゲームを楽しめなくなり、根本的にオンラインゲームとして破綻してしまうわけです。 もちろん、ユーザがゲームを楽しめなくなれば、それだけゲーム側の売り上げも落ちるわけですから、チート対策をすればするほど利益が下がっていくという非情な現実が待ち受けています。 ゲームとしてユーザに楽しんでもらうためには、同時にチーターなど不正者の発生も考慮しなければならないという、中々難しい判断が迫られます。 運営会社の対応が間に合わない チーターが中々消えない大きな要因が、運営会社の対応が間に合っていないという点です。もちろん、運営会社もチートを看過しているわけがなく、チーターを減らそうと不正者のBAN(利用停止処分)やセキュリティ対策に力を入れています。 ApexLegendsなども例外ではないのですが、大人気ゲームのためかチーターの量が尋常ではなく、不正対策をしていても尚、間に合っていないという状態になっているのです。 人員を無理やり増設して解決できそうなものですが、個人情報や管理権限を取り扱うような業務のはずなので、ただのアルバイトにさせるわけにもいきません。皆さんユーザの情報を適切に扱える人だけで対処しようとするからこそ、対応に遅れが生じるわけです。 また、チートの中にはゲームの欠陥を悪用しているものが沢山あります。Apex Legendsなどのオンラインゲームは既存のプログラムに対して追加のプログラムを実装していくのが基本的な開発手法になるため、どうしても不意なバグや欠陥が生まれてしまうのです。 すぐにバグを修正できれば良いのですが、技術者であっても『なぜバグが発生しているのかわからない』となる事象はよくあります。しかし、攻撃側にとってはそんなものは関係ありません。 壁に空いた大きな穴を塞ぐのは手間がかかりますが、その穴から中に侵入するのは簡単ですよね。 原因がわかりにくいバグが発生した場合、運営会社の対応が遅れる一方、攻撃側は悠々自適にバグを利用した不正行為を行えてしまうのは、何とも非情です。 これに関しては明確に開発側が悪いと言えるものの、組織の全員が全員プログラムを熟知しているわけではないので、避けられないリスクというのが前提としてあります。 チートを絡めたビジネスが安定している チート販売、そしてチートを使用して育てたアカウントの販売など、チートを絡めたビジネスが確立されてしまっているのも、チートが中々減らない要因です。これに関しては、転売がなくならないのと同じようなものだと言えます。チートを作れば売れて儲かる、チート使ってアカウント育てて売れば儲かる。この売買の波状攻撃によって、延々とチートの需要が減らないまま、ビジネスモデルとして規模を広げているのです。 ○○はチートが全然いない!なぜ? こういう話題になると、ほぼ100%の割合で「○○はチートがいないから平和でいいわ」と発言する人がいます。 どういうことかというと、実は PlayStation/Xboxなど(家庭用ゲーム機) Valorant(FPSゲーム) Fortnite(TPSゲーム) など、一部の環境には、まったくいないと言っていいほどチーターがいません。 これに関して、なぜチーターが少ないのか度々議論されますが、エンジニアの観点だとある程度正解というか、チートが全然いない理由は説明できます。 ではなぜチートが少ないのか、上記に挙げた項目にフォーカスして詳しく見ていきましょう。 PlayStation/Xbox/Nintendo Switch チーターが出現するのは決まってPCで登場するオンラインゲームだけで、PlayStationなどをはじめとした家庭用ゲーム機では、チーターをほとんど見かけることがありません。実は、チーターが少ない背景には技術的要因が存在します。 よく勘違いされていますが、「家庭用ゲーム機ではチートを作ることが難しい」というのは間違いです。 プロと同等とはいかないものの、私はゲームのMODを趣味で度々作っています。よくPrison architectのバグを直すやつとか、ローカル環境で利用している感じです。結構、そういうツールってゲームの構造さえ理解できてしまえば、簡単に作れるんですよね。そして、家庭用ゲーム機も同様に、データを抜き取ってPC上で改造するだけなので、通常のツール作成とほとんど手順が変わりません。したがって、PCでチートツールを作成している技術者であれば、家庭用ゲーム機で動作するツールも簡単に作れるはずです。 チートが少ない理由を断言すると、非技術者がチートを扱えないから。 チートツールというものは、インターネット上から該当のプログラムをダウンロードし、それをローカル環境で実行することで、対応するゲームのプログラムを改ざんする仕組みとなっています。PCでよく作業をしている方なら、インターネットのデータをダウンロードして使うのは日常茶飯事でしょう。 しかし、PlayStationやXboxでインターネットからデータをダウンロードして実行したことがあるでしょうか。恐らく、ほとんどの方はそういった経験がないはずです。 家庭用ゲーム機のOS(と呼んでいいかはわからない)は、基本的にユーザがファイルやディレクトリを操作することを想定しておらず、それらをいじろうと思うとまた別に改造が必要になります。 それこそ、プログラムを改造するだけの意識や時間が必要になるわけです。チーターにはいくつか種類がありますが、基本的にはほぼ全てのチーターが「他者が提供しているチートツールの使用者」であり、開発者ではないのが現実。 要するに、家庭用ゲーム機のソフトに対応したチートツールを作っても、一般の方が使えないことから、販売しても利益が出ない、売名にならず、チートを開発する理由がありません。チートを開発する方は大体チート販売の利益や集客が目的であり、趣味だけで作っている方はあまりいないと言えます。したがって、チートツールを開発し始める方がほとんど出てこないわけです。 Valorant Valorantは、最近流行りの5vs5のFPSゲームです。このゲームはPCで大変人気なのですが、それでいてApexLegendsの比にならないほどチーターが少ないことでも話題を集めています。 Valorantでチートが少ない理由は、以下の2点だと推測できます。 一撃必殺のゲーム性 スキンがほぼ課金コンテンツのみ Valorantのゲーム性は、ApexLegendsのようにダカダカ撃ち合うものではなく、完全に一撃必殺の様相を呈しています。下のGIFがゲーム画面ですが、ほとんど撃ち合わず、チートを使わずとも一瞬で勝負が終わっているのがわかりますよね。 プロゲーマのプレイ映像 チートを使って無双しようにも、そもそも一瞬で勝負が終わるため、チートの効力が非常に低いのです。 また、チートを使う理由として、ゲーム内通貨やアイテムを集めてスキンを充実させてからアカウントを販売することが目的になることもあります。しかし、Valorantのスキンはほぼ全てが有料で、無課金でプレイを続けても全くスキンは手に入りません。 スキンをわざわざ購入するとアカウント販売による利益も落ちますし、チートを使ったビジネスがおおよそ成り立たないわけです。 知ってか知らずか、Valorantはチート対策に必要なことをほぼ全て網羅できているのが驚きですよね。 Fortnite Fortniteもオンラインゲームの大御所と呼べるほど人気のゲームですが、PC版にはチーターがほとんどいません。 理由は、Valorantと同じく課金限定スキンが非常に多いこと、そして、競技性があまり高くない点が挙げられます。チートを使ってアカウントを育てまくっても、それを販売するあてがほとんどなく、あまり意味がないのです。 また、Fortniteを提供しているEpic Gamesは、有名なUnreal Engineを開発した大手ディベロッパーでもあります。 それだけの技術を開発している会社ですから、ゲームエンジンの仕様を自社内だけのものに変更するなど、根本的な部分でチート対策をしていそうな気もします。あくまでイメージですが… チート対策でやってはいけないこと ここまでの内容で、チートとは何か、なぜ利用されているのか、なぜチートはいなくならないのか、チーターが少ないゲームがあるのはなぜか、など、チーターに関する理解を深めてもらえたのではないでしょうか。 では最後に、よくSNS上で見かけるけれど、絶対にタブーという、チート対策でしてはいけないことを簡単にご紹介していきます。 ストリーマー(配信者)にBAN権限を委託 よく「ストリーマーやプロゲーマーに、BANの権限与えれば解決する!」みたいなことを仰る方を見かけるのですが、絶対にNGです。 何が問題かと言うと、外部の人間に委託するのがダメというより、一般家庭のネットワークからBANできるようにするというのが、致命的な問題になります。 チート対策が遅れている原因として、「個人情報を守りながら作業している」と説明したように、あくまでもチート対策は個人情報を利用しつつ進める必要があります。すなわち、ストリーマーにBAN権限を委託するということは、外部に個人情報を提供するということです。 一般家庭のネットワークなんて盗聴し放題ですし、そもそも権限を持ったストリーマーが不祥事を起こさない保証はどこにもありません。まともなITリテラシーを持った人間であれば、これがどれだけ危うい行為なのかわかるでしょう。 リスクについてよくわからないという方は、以下の記事を読んでみるのがおすすめ テレワークでの5つのセキュリティ…/ZAC BLOG 自身がプレイしているゲームが外部の人間に権限を委託し始めた時点で、「終わった・・・」と思った方が良いでしょう。 ただ、ストリーマーが運営会社内で、社内ネットワークを通じてBANをするという話であれば、そういったチート対策の在り方を実現できる可能性はあります。 通報されたアカウントをとりあえずストップ ApexLegendsをはじめ、多くのオンラインゲームでは不正ツールの利用者を運営会社に通報するシステムが存在します。 それを運営会社のスタッフが確認し、アカウントBANの是非を決めるわけですが、「もう通報があったらそのままアカウント停止すればいいんじゃ?」となる人もいるかもしれません。 もちろん、ダメです。 オンラインゲームでは、一部において「チーターより技術が高い人」が存在しており、よくチートと間違われて通報されるケースがあります。競技性の高いゲームにおいて、「プレイ技術が高いとアカウントが停止する」というのは、致命的ですよね。 したがって、上手い一般プレイヤーを巻き添えにしないためにも、通報されたアカウントをBANするかどうか、よく吟味する必要があるのです。 まとめ チーターを完全に対策する革新的な方法および技術は、残念ながら現代には存在しません。その中でも、各社はチーターを撲滅すべく頑張っています。非技術者の方としては、チーターの存在に苛立ち、それが一向に消えないことを運営会社の怠慢だと思ってしまうかもしれません。 この記事を読んで、チートが流行してしまう原因や、チート対策に誤解をしている方が、「チート対策って大変なんだな。」と思ってもらえると嬉しいです。